7期生・石黒さん

カナダにお住まいの7期生の石黒さんから記事が届きました。世界中を賑わせているメジャーリーグの大谷翔平選手の記事です。


【大谷翔平狂騒曲】

こちら北アメリカの12月9日の午後に大谷翔平君がドジャースと10年1000億円以上の契約をしたという発表がありました。それまでの1週間は野球ファンにとってはてんてこ舞いの忙しさでした。ありとあらゆる翔平君に関する情報がSNS, メディアで飛び交い、嘘、誇張されたもの、想像、とにかく我々、特にトロントに住んでいる野球ファンに取っては忙しい1週間でした。

アメリカテネシー州のナッシュビルで12月3日から6日まで恒例のウインターミーティングが開かれていたんですが、この会議場では大きなFAの獲得、並びにトレードの話しは持ち上がりませんでした。それというのもこの会議では一番大物の選手からだんだんとFA並びにトレードの話しが進んでいくのが恒例だからです。今年のウインターミーティングでの一番の大物は翔平君です。彼は6年間プレーしたカリフォルニアエンジェルスからFAになりました。FAと言うのはフリーエージェントという意味です。

今年の夏、8月の初めまでにトレード期間の締め切りがあって、彼がトレードに出されるか皆の注目を集めていたんですが、球団側は翔平君をトレードには出しませんでした。球団がトレードに出さないということは、一種のばくちをしているようなものです。球団としても翔平君が契約更新時に再契約をするというある程度の自信みたいなものがあったのかもしれません。しかし契約期限が満了になって翔平君が球団を離れると、球団には何の見返りもありませんでした。
8月のトレード期限前に彼をトレードに出して変わりの有望な選手を得ることもできました。でもそれをしなかった。結局エンジェルスはある意味ばくちをして、負けたと思います。


↑去年の8月の試合の写真です。翔平君、この日はピッチャーでした。

翔平君がFAを宣言したのは少し前だったと記憶しています。その間プレーオフがあって、最後にテキサスレンジャーズとアリゾナダイヤモンドバックスの間でのワールドシリーズがあって、テキサスが優勝しました。それが終わると一段と翔平君のこれからの移籍先に関するニュースがメディアを飛び交うようになりました。移籍先として浮かび挙がっていたのは、ロスアンジェルスドジャース、サンフランシスコジャイアンツ、シカゴカブス、アトランタブレーブス、トロントブルージェイズそれに残留するならエンジェルスというところでした。金満球団のニューヨークのヤンキース並びにメッツは話題には上らなかったですね。

MLBのウインターミーテングが始まっても、翔平君に関するニュースは会議では全然持ち上がりませんでした。それというのも翔平君のエージェントのネズ バレロ氏がかん口令を敷いて、いかなるチームも翔平君の情報を漏らすと、交渉に不利になるという警告を出しておりました。ところがドジャースの監督のデーブロバーツ氏が、会議で口を滑らせたのか滑らせなかったのかは分かりませんが、彼が会議が始まる2-3日前にドジャース球場で翔平君と会って、面会はとてもうまく行ったということを記者の前で話してしまいました。この後多くの記者たちがドジャースのGMとか球団関係の人達に確認を取ったんですが、だれも一言もこのことには言いませんでした。私はその時にこのロバーツ監督のミスでトロントに交渉が有利になるのではないかと思いました。


↑打つ方では、DHでした。ほんとの2刀流です。

同じころにトロントブルージェイズのアトキンスGMが記者会見をウインター会議で開く予定だったんですが、当日彼はリモートで記者の質問に答えていました。画面に出てきたときは後ろに白いカーテンが敷かれてあって、場所がどこか分からない様にしてありました。あとでMLBの記者の話しによると、アトキンスGMはどうやらブルージェイズのフロリダにある練習施設にいるようだということが分かりました。アトキンスGMはこのことに関して、肯定も否定もしていません。当日のスカイトラッカー(アメリカでの飛行機の追跡アプリ)によると、朝カリフォルニアのジョンウエイン飛行場からプライべートジェットがフロリダ州のタンパまで飛行して、同じ日に、又タンパからカリフォルニアのジョンウエイン空港まで、飛行したという事が報じられています。そのプライベートジェットに乗っていたのは、多分翔平君とエージェントのバレロ氏ではないかと言われています。ジョンウエイン空港はエンジェルスがあるアナハイムのすぐ近くにある空港です。

後で言われたことは、翔平君は確かにフロリダのブルージェイズの練習施設を見学していたようです。獲得球団に名前が挙がっていた球団で翔平君が訪れたのは、ドジャース、ジャイアンツ、ブルージェイズだけの様でした。シカゴカブス並びにアトランタブレーブスの名前はあったんですが、翔平君による施設の訪問はなかったようです。翔平君が6年間所属したエンジェルスですが、彼には残留の意思はなかったと思います。というのも彼が口にしていた一番大事に思っていることは、勝つことだと言っておりました。彼にしては、レギュラーシーズンでも勝ってプレーオフに出て、プレーオフでも勝ち続けてワールドシリーズにも出て、そこでも勝ちたいという思いが強かったと思います。今年初めのWBCで成し遂げたことと同じことをMLBでもやりたいのではないでしょうか?ところが今のエンジェルスではプレーオフにすら出ることができない弱小球団です。彼にはエンジェルスに残るという選択肢はなかったと思います。6年前に2刀流をやらせてくれる球団として入れてもらったんですがもう十分その借りは返したと思うのでいつでも出ていける状態であったと思います。

そうなると残り3球団なんですが、ジャイアンツに関してはナショナルリーグで球場が左バッターには少し不利であると言われています。あとのMLB記者の記事でもジャイアンツに関する記事は全然出てこなかったように覚えています。先日のニューヨークポストの記事によると翔平君が気にいっていた街はロサンゼルスとトロントだと言っておりました。

12月7日にSNSで記事が出ていまして、記者が各球団の翔平君との契約のチャンスをパイチャートに表しておりました。一番可能性が高いのはトロントブルージェイズで60%、続いてドジャース30%、エンジェルスが2%、後の残りをほかの球団で占めていました。これを見た時はびっくりしました。まさかトロントがドジャースよりも確率が高いなんて想像もしていませんでした。またドジャースネーションというドジャースよりの投稿をしているサイトでも翔平君はドジャースと契約するのではなくて、トロントとすると言っておりました。その頃トロントの多くのテレビ局では、翔平君の動画をテレビで流し、又球団のオーナーが本気で1000億円を用意するとかのニュースがテレビで流れておりました。

12月8日の午後、SNSで今日朝9時にカリフォルニア、ジョンウエイン空港を一機のプライベートジェットが離陸してトロントに向っているという情報が流れました。トロントには午後の4時ごろに到着の予定。またトロントブルージェイズの菊池雄星投手が、トロント球場の近くの高級すし店に50人以上の予約を入れたというSNS投稿もありました。これはどういう事でしょう?たぶん翔平君がジェット機に乗ってトロントに向っていると多くの人たちが思いました。トロントの野球ファンの人達の興奮がこの時ピークに達したんではないでしょうか?


↑下の孫娘です。

12月9日の午後に義理の息子と携帯でメッセージ交換していると、彼が翔平君がドジャースと契約したと言ってきました。まさかそれはあり得ないとその時思いました。MLBのサイトに行って最新のニュースを見てみると、ドジャースと契約したとちゃんと載っておりました。昨日はトロントと契約するものと思っていたのに、いったいどうなってるんだと、焦りました。ところで後で解ったことなんですが、12月8日にSNSで報告されたカリフォルニアからのプライベートジェットに乗っていたのは翔平君でなくて、トロントの実業家だったそうです。それと菊池雄星投手のすし店での50人以上の予約も、嘘の投稿だったらしいです。私の体から、すべてのエネルギーが無くなっていくような気がしました。私だけでなくて、多くのトロントブルージェイズファンの方々も同じような気持ちになられたと思います。その日一日中、頭が重い気がしました。昨日の最高の気分から崖から真っ逆さまに落ちていくような思いでした。

次の日に、翔平君がドジャースを選んだ理由を見てみたんですが、どうも私には納得がいかなかったですね。来年はDH専念で投げることはやりません。DH とは Designated Hitter の事なんですが、打つ専門の選手の事を指します。守備はやらなくてその分打って塁に出て、又打点を稼ぐのが仕事です。普通は打順は3番とか4番を打つ重要なポジションです。ほんとにドジャースに行きたかったのかなと思う理由は、 来年はすべて新しいピッチャーと対戦することになります。向こうのピッチャーも翔平君とは初めてなんですが、いくらうまいバッターでもヒット打てるまでにそのピッチャーの投球に成れる必要があります。それができるまでしばらく時間がかかります。それと球場もすべて新しい球場で、外野までの距離、ファウルのエリアの大きさとか色々考えないと駄目です。ブルージェイズならまた同じアメリカンリーグで、今まで6年間の経験があり、投手、球場にも慣れていますし、来年チームを変わっても同じようなヒット、ホームランを生産できると私は思います。そういう経験をすべて投げ捨ててまでナショナルリーグに行く必要があるんでしょうか?

翔平君はフロリダのブルージェイズの練習施設をとても気にいっているそうです。それとブルージェイズの育成制度も好きらしいです。毎年トロントに来てブルージェイズとの試合をしているときに、ブルージェイズの選手たちとにこやかに話をしています。誰とでも話ができるとてもフレンドリーな青年だという印象を持ってます。契約金にしても、トロントのオーナーは1000億円以上用意すると言ってました。住むところにしても、オンタリオ湖沿いにある球団が持っているタワマンで過ごすことができますし、球場もドーム球場で、雨、寒いときは屋根をしめることができますので、プレーには全然影響はありません。トロントはカリフォルニアのアナハイムとかロスアンジェルスに比べると冬は寒いですが、住み心地はトロントの方が上です。いつも世界で住みやすい都市10位以内に入っています。トロントブルージェイズはドジャーズよりも強くはないんですが、ほぼ毎年プレーオフに出ている強い球団です。ピッチャーも素晴らしい先発ピッチャーがそろっています。打線も強力打線です。丁度今年DH の人がリタイヤすることになっていて、空きがあります。私に言わせると、今のブルージェイズは翔平君が求めているすべてを与えることができる球団だと思います。


↑もうこのシャツは着れませんね。

なのにどうして、彼はドジャーズを選んだのでしょうか?

ニュースの記事などを読んでおりますと、あたりさわりのない理由を挙げています。強い球団、温かい気候、サポートスタッフ、ETC. 

しかしながら私個人の見解ではドジャースを選んだ理由はほかの所にあると思います。私個人の見解ですから間違っているかもしれませんが、もしそうなら、ただ個人の意見だと思って見過ごしてください。

多分日本人的な理由だと思います。昔から彼は日本人がいないチームでやりたいと言っておりました。自分がほかの日本人に迷惑をかけるかもしれないという思いから来ていると思います。彼みたいに投げても打ってもMLBで一番のスーパースターですから、何処にっても成功します。もしそのチームに日本人選手が居ればその人が翔平君と比べられて嫌な思いをするのではないかという、配慮から来ていると思います。ほんとに心の優しい、優しすぎる好青年です。私はこういう理由で、彼はあえてリーグの違う、ドジャーズに行ったんではないかと推測します。

私が翔平君に希望していた最低線は、とにかく今のエンジェルスを退団してほかの強豪球団に行ってもらう事でした。強い球団に行くとDHでの場合でもあまり歩かせられないので、ヒット、ホームランの数が増えますし、又投手として出た場合は味方の援護射撃があって、得点を稼いでもらえるので、勝利数が増えます。勝利数が増えて、ERA(防御率)が下がると、サイヤング賞の対象にもなります。健康になって、投打両方でいい成績を残せば、MLB史上初、リーグでのMVP並びにサイヤング賞のダブル受賞も可能かもしれません。これからのMLBの発展のためにも強い球団で、思いっきり活躍をしていただきたいです。

この数日、楽しい夢をみさせてもらいました。もし翔平君がトロントにくることにでもなっていればどれほど素晴らしかったことかと、夢見ておりました。


↑電光掲示板はポジションはPで、打順は3番を指しています。


少し前に記事はいただいていたんですが、こちらの都合で記事のアップが遅れてしまいました。
ご了承ください。

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