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大阪府立阪南高等学校同窓会

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7期生 石黒さんよりH

石黒さんから第9回目の記事が届きました。今回の内容は海外での活躍方法や、ワーキングホリデーについてです。どうぞご覧ください。



◆将来海外で活躍するには、大学での学部は英文系、それとも 理系?◆


今回の記事は、大学でどういうような学部に進めば、海外で活躍しやすくなるのでしょうかという疑問に答えていきたいと思います。

阪南の若い方々で将来海外で仕事をしてみたいと思われる方がいらっしゃるかもしれません。そういう方は大学ではどういうようなコースと言いますか学部に進めば、将来海外で仕事ができて活躍しやすくなるのでしょうか?

私自信に関しては、高校1年、2年生の時に友達とか独りで旅行をしたのがきっかけで、2年生の終わりには将来外国に出てみようと強く思う様になりました。3年生の初めの頃に担任と進路について話をしたんですが、私が将来外国にいきたいので、何か手に技術を持ちたいので、各種学校に行きますと言ったんですが、先生にずいぶん反対されました。どうしてほかの生徒の様に受験勉強をしないのかと言われて、それ以後担任とは進路の事で話はありませんでした。自分で考えて、自動車整備士の国家試験に受かって、海外移住をしようと思いました。今から考えれば、他にも海外で働く道はあったと思うんですが、そこまで考える余裕はありませんでした。一応名古屋にある自動車整備学校に1年行って、3級の整備士免許を取って、仕事も横浜にあるトヨタ系のディーラーに6か月勤めて、それから大阪に帰ってきて、尼崎の日産で働いているときに、週末神戸にあった兵庫県陸運局のトレーニングセンターで講習を受けて、2級整備士の免許を頂きました。海外移住事業団で、カナダ移住の事を聞いたときに、自動車整備士で移住申請をするときは、2級の免許が要ると聞いていたので、一応免許だけは取っておこうと思い神戸の陸運局まで週末通っておりました。

ふつう日本で言われることは英語ができるから海外で活躍したいということをよく耳にしますね。英語ができるから海外で何かができるとは限らないと思いますが。実際ここカナダでは皆英語ができますし、ただ英語ができるから特別に有利になるということはありません。日本人がある程度英語ができるということは、ただ英語圏の国で、そこの人達と同じ土俵で相撲が取れると言うだけの話しです。相撲に勝つか負けるかは全く別の話しです。

実際の話し、日本人で日本の駐在員とかでなくて、一人の独立した人が少し英語ができるだけで特別なスキルもなくトロントに来られた場合、その人はどのような職業に就けるのかと考えれば、答えは多分日本レストランのウェイトレスかウエイターぐらいです。こちらでは皆さんジャパレスと呼んでいます。よくてスタバのコーヒー店でのサーバーぐらいです。これはワーキングホリデーで来られる方たちの典型的な例です。

ただ英語が少し喋れるだけでは、こちらのカナダ企業での就職はまず99.9%無理です。英語を喋れるというだけでは、その人の価値はこちらではゼロに近いです。ワーキングホリデーについては就労の期限も1年という制限もあるので、働けるところは、ほんとに限られてくると思います。

会社が人に払う給料はその人の能力、スキル、知識に対して払うのであって、言葉ができるから払っているのではありません。 いい例が日本からアメリカに来ている野球選手たちです。彼らは英語は喋れませんが、年間何億円という超高級な金額を貰い、こちらでプレーしています。球団が高額なお金を英語も喋れない人間に払っているのは、その選手がベースボールダイヤモンドの上で、期待された活躍をすることへの報酬です。もしお金に見合った活躍をしない場合は、マイナーリーグに落とされるか、解雇されます。

日本人がカナダである程度の英語を喋ることしかできなくてほかにこれといったスキルがないのであれば、一生ジャパレスで終わってしまう可能性があります。普通のカナダの会社というか、海外での会社では日本語が喋れるということでの価値はほぼゼロに近いと思います。カナダでフランス語が喋れれば、州並びに連邦政府で仕事を探す場合、有利になると思いますが。

日本人が将来海外で仕事、活躍をしたいと考える場合、やり方は二通りあると思いますがそれに付いての大学での学部の選び方にも少し差が出てくるかと思います。

1)まず一つ目のやり方としては、大学を卒業して日本の会社に就職して会社から海外派遣員として送り出してもらう。考えられる企業は商社、日本政府関係、あらゆる製造業で輸出をしている会社、航空会社、それに大手の旅行業者などが考えられます。一つの例をあげれば、ここカナダのオンタリオ州でもトヨタ、ホンダの自動車組み立て工場があり、また最近はクボタの農耕機械が大変よく売れていて、その本社がトロントの近くにあります。こういう会社では日本から人が送られてきて、現地でマネージメントの仕事をされておられます。

こういう企業で働くのであれば、大学では英文系に進んで、英語を十分理解できるようにすればいいと思います。会社に入れば、会社内での企業トレーニングなんかもあると思いますし、海外派遣の機会があれば、それで外国に出て、一生懸命に現地の人達、並びに会社のために働けばいいかと思います。

この方法での長所は、会社が必要としているスキルを会社内で学ぶことができますし、海外派遣に関しての法的にやるべきことは会社の方ですべてやってくれるので、個人でいろいろ走り回らなくても良いと思います。金銭的補償並びに向こうでの住居の心配もしなくて良くて、向こうに行けば即仕事ができる環境があると思います。

短所は、自分が活躍できるところが、この会社に関係するところだけになりほかの所で働くことかができないところです。自由に自分の思う様に動き回れないというところが、ネックになるかもしれません。

2)二つ目のやり方としては、日本の会社などには関係なく、自分一人で海外を目指そうと思っている人は大学では理系の学部に進まれた方が良いと思います。

医学、土木、農業、電気、IT, 建築、その他の理系学部。

大学では理系学部に進み、卒業後は関連会社で働き、ある程度の経験を日本で積んでから海外に挑戦する方法です。こういう形での海外挑戦は、自分の持っている技術、知識を前面に出してやるんですが、英語もある程度のレベルに合った方が良いと思います。海外では、言葉も大事ですが、それよりも大事なことは本人が持っている技術、知識です。何ができるかが問われますので、これをやらせたらだれにも負けない技術を持っているということが大事かなと思います。

技術も持つということに関しては、大学、短大に行かずとも、各種学校で、色々な技術を学ぶことができるという選択肢もあります。各種学校に行くには高校から行くか、また短大、大学を卒業後に行く道もあるかと思いますが。とにかく個人で海外に出ていき向こうでの会社で仕事をしようと考えておられるなら、やはり向こうでも通じるような、確固たる技術が必要かと思います。各種学校で学べる技術としては、自動車整備、すし職人、ヘアードレッサー、服飾デザイナー、その他にも色々な職種の技術が学べると思います。

この方法の長所は、自分で自分の納得のいく方法で、働きたい場所、会社を選ぶことができて、何処にどれぐらいいるとか、個人で自由に決めることができます。

短所は、就業ビザ、会社、住むところ、すべて自分で見つけなくてはいけないので、時間と費用が掛かることになります。それに海外での仕事が見つかる保証もなく、当面のある程度の生活費も用意しなくてはなりません。

就業ビザに関しては、各国の大使館、領事館、それとか昔なら海外移住事業団、今だと国際協力機構(JICA)と言われているみたいです、などに色々問い合わせをして、情報を集められたらいいかと思います。ほかには、農業関係の知識、技術があれば海外青年協力隊という政府支援の団体が、若い人たちの海外派遣をサポートしています。


最後にワーキングホリデーについて私個人の意見を言わせてもらいます。ワーホリ(ワーキングホリデーの略)も考えてみれば海外でのチャレンジであると思います。短期の挑戦になると思うんですが、やるからには強い気持ちが必要かなと思います。海外に出られて、1年一人で異国の地で生活をするんですから、色々知らないことなどがあって、不安になり、またお金もかかると思います。

ワーホリで海外に挑戦するのであれば、最初にすることはどこの国に行くか決めなくてはいけません。オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリス、アイルランド、韓国、その他約30か国ぐらいあります。ワーホリで行かれる方たちは多分英語も習いたいと思われますので、英語圏の5か国の中から、どの国にするか決めなくてはなりません。決める基準としては、治安、安全性、気候、英語の訛り、仕事を見つける難易度なども考慮に入れて決められたらいいと思います。

住むところに関しては多分日本にある渡航エージェントを通して前もって決められてから行かれると思うんですが、特に女性にとっては住むところは大変大事なので、安全、安心、清潔、そして交通の便が良いところに決められるのが良いと思います。トロントなどでは場所によって治安の良し悪しが違ってきますので、あまりにも安いところは避けられた方が良いかと思います。たぶんほかの都市でも、状況は似ているものと思います。

私がカナダに来た1970年代にはこういう制度はありませんでした。仕事をできる期間が1年で、年齢制限が30歳までと聞いております。毎週末に日系のお店で買い物をするんですが、ワーホリで来られている人たちが働いておられます。制度上の制約と、語学上の問題で、この制度を使ってこられている人たちが働けるところは、ジャパレス、ラーメン店、日系の食料品店とかに限定されているようです。このビザで現地の会社に就職するのは、すこしハードルが高いかなと思います。日系以外ではスタバとか他のコーヒー店でサーバーとして働いている人たちもいると聞いております。トロントの日本料理店、すし店ではオーナーのほとんどが韓国人、中国人が経営しています。ワーホリでは職種が限定されているんですが、お金を稼げてまた現地の人達とも働きながら英語である程度接触できる事は大変いいことだと思います。できたら休みの日はゆっくりと町を散策して、現地のおいしいものでも食べて生活をエンジョイして、ついでに英語も少し勉強されたらいいかと思います。

此処に参考として日本の外務省のワーキングホリデービザに関するリンクとトロントで使われている日系フォーラムのリンクも貼っておきます。何らかの参考になればいいかなと思っております。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html

http://www.e-maple.net/bbs.html

後残り2回投稿を予定しております。今までできるだけ読者の皆さんの参考になるような記事を書いてきたつもりなんですが、次回の記事は何の参考にもなりませんが、日本では絶対に経験できない話なので面白いかもしれません。ボランティアー警察官の話です。私はここでトレーニングを含めると約5年間しておりました。ボランティアー警察官としてどういう様なトレーニングを受けてまたどう言う様な活動をしていたのか書いてみたいと思います。

↑世界挑戦のシンボル、エンパイヤステートビルディングの展望台から見るアメリカ、ニューヨークの写真です。



次回のお話は「ボランティアー警察官」についてだそうですが、一体どんなものなのでしょうか?うーん。。。楽しみに待っています!

石黒さんの過去の記事は、以下からもご覧いただけます。

第1回「大谷翔平選手、トロントで勝利投手に」
第2回「カナダで1番大きな都市・トロント」
第3回「トロントのクリスマスと新年」
第4回「日本人と英語」
第5回「私の英語とドイツ語」
第6回「英語を喋る上で気を付けて頂きたいこと」
第7回「トロントの学校制度」
第8回「カナダの大企業での仕事環境」








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