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大阪府立阪南高等学校同窓会

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7期生 石黒さんよりF

今回の石黒さんのお話は、カナダ(トロント)の教育制度に関するお話です。もしも今後カナダに留学されたり、国際結婚する方がいらっしゃれば、ぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。



◆トロントの学校制度◆

今回の記事はトロントの幼稚園から高校並びに大学までの私が知っている範囲内での学校制度について少しお話させてもらいます。トロントの学校制度の話しをさせていただきますが、多分カナダのほかの州でも、学校制度はここと似たりよったりだと思います。

制度的に見ても日本と大分異なると思いますし、また学校でのトータルな授業時間数は日本の方が多いかと思います。こちらでは夏休みは長いですし、そのほかにも学校が休みになる日が時々あります。

私には子供が二人いまして、娘も息子もトロントで生まれて二人ともここにある公立の学校制度を利用して、キンダーガーデン、グレードスクール、ハイスクール、それから大学へと進学しました。

グレードスクールというのは、日本でいうところの幼稚園からグレード8年生まである学校のことで JK (ジュニアーキンダーガーデン)とSK (シニアーキンダーガーデン) も含みます。日本でいうところの幼稚園という別個の施設はこちらではないと思います。

グレード1年生は日本でいうところの小学校1年生でグレード8年生は日本の中学2年生です。高校はグレードの9年生から12年生まであります。日本と違い4年間高校に通うことになります。このグレードスクールはまたエレメンタリースクールとも呼ばれています。

トロントにある高校はほとんどが公立ですが、プライベートスクールと呼ばれる私立の高校もありますが、数はあまり多くはないようです。こういう高校では結構高い授業料を払いまた学校の制服を着る必要があります。学校で教える内容は、公立でも私立でもオンタリオ州の教育省のカリキュラムに沿って教えています。公立高校の場合は授業料、教科書代などは払う必要はありません。

私には孫娘が二人いまして年齢は6歳と10歳ですが、いまグレードスクールの1年生と5年生です。公立学校は男女共学で、高校生でも制服というものはなくて、すべて私服を着ています。高校生を見ていても着るものは結構自由なものを着ていて、日本の様に服装に関しては規則はきつくはないと思います。

(孫たちが通うグレードスクールです。どこの学校でも国旗が掲げられています。)

トロントのある地域ではミドルスクール、日本の中学校、ジュニアハイスクール、もあると聞いていますが、そのことについてはあまりよく解りません。ミドルスクールの学年はグレードの7年と8年生だと聞いています。

學校の学期はというと、新年度が9月から始まります。12月の終わりごろにクリスマス休暇が2週間ほどあって、新学期は1月の2週目ごろから始まります。 3月にマーチブレーク、March Break、 と言われる春休みが1週間ぐらいありましてそれが終わると、6月の終わりごろまで授業があってそこで学年末となります。

夏休みは7月と8月の2か月間です。日本のちょうど2倍の長さになります。9月に新学年が始まるので、日本で行われている夏休みの宿題等はありません。2か月完全に休めます。先生たちも夏の特別授業を行わない限り、2か月休みが取れて長期旅行などに行かれます。

(孫たちが通っている学校の中です。)

グレード8年生の生徒たちは6月の年度末でグレードスクールを卒業となり、ほとんどの生徒達はその地域の公立高校へ進学することになりますが、高校入学試験というものはありません。高校生が越境して他の地域の高校に通っているということは聞いたことはありません。日本では公立でも私立でも学校の偏差値があってランク付けされていて中学生の皆さんはそれを考慮に入れて高校の入学試験を受けられて高校に進むという様になりますが、こちらでは高校の入学試験というものはなくて全員高校に進学すると思います。偏差値に関しては、こちらでもたぶんあるとは思いますが、公の偏差値は発表されていないと思います。

こちらの高校生活においては、日本でいうところの大学受験というものがありません。大学に入るには高校最終学年のグレード12年生の指定された大学進学用の6科目の成績を自分が行っている高校を通して、大学入学選考センターに入学を希望する3大学の名前を指定して入学申請を行います。希望大学の申請が3大学以上の場合は、別途料金がいることになっています。

書類審査の後で希望する大学に入れるか入れないかは、後日手紙が申請した大学から郵送されます。有名大学、魅力的な学部に入るためには、指定科目の12年生の成績がかなり良くないと入れないことになります。こちらの高校生の人達は日頃から学校の勉強を一生懸命にして、重要科目の成績を上げるように努力しているといつも聞いておりました。

大学に入るのには一発試験で入るのではなくて、高校の最終学年の成績で入れるか入れないかが決まるので、考えてみればこちらの方が日本の試験制度よりも生徒にとっては公平で、ストレスも少ないかと私は思うのですが。入学試験の場合は自分が勉強したところが出ればいいんですが、そうでないといい点が取れないかと思います。

希望大学に入れるかどうかは自分のグレード12年生の指定6科目の成績で決まるので、日頃の学校での勉強をしっかりして、科目の良い得点を取っていれば入れるという仕組みです。日本であるような大掛かりな勉強塾みたいなものはこちらではありませんが日本式の公文教室がトロントにありまして、私の孫たちも毎週一回近所の教室に通っています。

(私の家の近くの公立高校です。息子がこの高校に通いました。学生は中国、インド、スリランカ系が多いと思います。)

受験勉強がないので、こちらの高校生は高校生活最初の年から最後の年までの4年間、精いっぱい高校生活を楽しめると思います。また浪人という言葉もありませんし、日本でいう予備校という物も存在しません。大学に行きたい生徒は何らかの形で、申請した大学または短期大学に入れるようです。私の子供二人に関しては申請したトロント近郊の3大学に入学を許可されましたが、家から近いトロント大学に行きました。トロント大学はカナダで一番の大学と評価されていて、世界大学ランキングでは日本の東京大学よりも上にランクインされています。

トロントの高校生が望めばトロント以外の大学、例えばカナダのほかの州にある大学、またはアメリカにある大学に入学したい時は、必要な書類をその大学に提出して審査を受けますが、日本で言われているような入学試験はありません。書類審査だけです。

私自信もこちらで大学に行きましたが、私の場合は、歳を取っていたということもありまして、普通の高校生とは行き方が違いました。私は大学に行く前に、トロントにある Community College (日本の短期大学に相当する)に成人域(Mature Student)で入学申請をして、英語の Admissions Assessment のテストを受け合格した後カレッジに入学を許されました。全日制のカレッジで2年間電子計算機の基礎講義、教養科目、並びに、色々なコンピューターのプログラミングの言語を習いそれを使って、プログラムを書いておりました。

カレッジを卒業後、生命保険会社で昼間コンピユータープログラマーとして働きながら、ヨーク大学でパートタイムの学生として、Computer Science を専攻して、夜間に大学の講義を受けて、6年かけて卒業しました。成人域を使っての短期大学、並びに大学の入学は比較的簡単だと思いましたが、大変だったのは授業について行き科目のちゃんとした成績を取ることでした。特に大学での授業、レポート提出、プロジェクトの完成など、かなり大変だったことを覚えております。週末良く大学のコンピューターセンターにこもり、夜中過ぎまでテストプログラムを走らせて間違いを修正しておりました。

トロントというかオンタリオ州にある大学はすべて州立大学とみなされています。オンタリオ州政府からかなりの額のお金が各大学に毎年与えられています。下にトロント大学とヨーク大学の日本語のリンクを張っておきますので、参考までに見ていただくといいかと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%
E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88%E5%A
4%A7%E5%AD%A6


https://www.bnwjp.com/school/university/
yorkuniversity.html


此処で私が言っている高校生の大学受験なしの話は、此処に住んでいるカナダ人の高校生の話しで海外からの高校生がカナダの大学入学を申請した場合は、事情は異なるかと思います。たぶん英語かまたはほかのテストがある可能性があると思います。また大学の授業料も、カナダ人とか合法的な移民者と海外からの学生との間では、かなりの違いがあり差別化されています。

次回の記事は私が経験したトロントでの正社員としての仕事環境についてお話をさせていただきます。40年以上ここでIT関係の仕事をしてきて、仕事場は主に環境の整ったオフィスの中でしておりましたが、カナダの一流企業で私がどういう様に仕事をして来たのか説明させていただきます。



高校以上も受験せずに進学できるとは羨ましいですね。つい先日、大阪府では公立高校の合格発表がありました。希望の高校に進学できなかった子も少なからずいたことでしょう。進学した先がご縁があった学校だと思って、皆さんには学校生活を思いっきり楽しんでいただきたいですね。

石黒さんの過去の記事は、以下からもご覧いただけます。
第1回「大谷翔平選手、トロントで勝利投手に」
第2回「カナダで1番大きな都市・トロント」
第3回「トロントのクリスマスと新年」
第4回「日本人と英語」
第5回「私の英語とドイツ語」
第6回「英語を喋る上で気を付けて頂きたいこと」






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